・たいこ [太鼓]

帯を締めた時、背の方来る部分で、太鼓の胴のように丸く結んだ所をいう。

・たいこうしょく [褪紅色]

色の名前。紅の色を洗い、褪せた色で、明治末期から大正の初期に流行した色。紅よりも朱ががっている。

・たいしかんどう [太子間道]

名物裂の一種。法隆寺に伝えられている色彩豊かな絣織物で、上代の織物として有名である。間道とは一般的に縞のことをいうが、この太子間道は絣柄で縞を表しているのが特徴である。広東錦とも呼ばれている。経糸によって絣柄を表すものである。 太子間道のページへ

・だいしょうじぎぬ [大聖寺絹]

加賀(石川県)大聖寺地方で産した経目の生絹で、中六ともいう。

・だいとうぎれ [大燈切]

金襴の名物裂。大燈国師の袈裟の裂からこの名がある。地色赤鳶に金で唐草を配したもの。
大燈金襴のページへ

・だいまるもんしゃ [大丸紋紗]

兵庫県出石(いずし)地方で織り出される「紋紗」および「綸子」を特に大丸と称して、京都丹後地方のものと区別する。

・だいみょうじま [大名縞]

縞柄の名称。細かい竪縞で、縞糸一本に対して地糸三本の単純な縞が多いが、これを四つ目大名と呼ぶ。江戸中期に大流行した。縞糸に赤を用いたものを赤大名ともいう。地方により縞糸と地糸の割合に多少の違いがある。大名筋とも呼ばれている。

・だいみょうだたみ [大名畳み]

本畳みに対する言葉で、主として留袖、振袖、中振袖、子供物、丹前などに多く用いるたたみ方。夜着だたみともいう。裾を右にすえ、背は折らずに中央にすえて右脇、左脇の順に折り、衿の天は中側へ折り込み、両袖を内側に折り身丈を2等分又は3等分して折るたたみ方。

・だいもん [大紋]

中古服装の一つ。大きな紋が五つついているところからこの名がある。素襖(すおう)(直垂(ひたたれ)の略服)に似ているが、胸紐に組紐を使っているなど、多少の相違点がある。室町時代にはじまり、江戸時代には武士の礼服とされた。

・たかさきぎぬ [高崎絹

群馬県高崎地方に産する「裏絹」の総称。経緯糸とも生糸を用いた「糸好絹」から、「玉糸」や「副蚕糸」を使った「玉絹」や「散好絹」(ちりよしぎぬ=玉絹の高級品)「小節絹」など種類は多い。

・たかしまちぢみ [高島縮

織物の名称・
滋賀県高島郡地方(現在の高島市)でつくられた綿。綿縮は強撚糸(ねんし)の綿糸で織られたもの で、夏季の衣服地として適当な生地(きじ)であり、木綿栽培を基礎に発達した。この地方での発生時期は不明であるが、幕末の文久(ぶんきゅう)・元治(げんじ)(1861~65)のころまでは手紡糸(てぼうし)でつくったが、明治以後に木綿紺地に絹糸を交織して「糸入り」としたものや、また小紋を織り出したといわれ、海外にも輸出された。現在では、綿縮織物が高島クレープとして生産されている。

綿織物の産地・高島は19世紀頃から和服用に高島ちぢみが織られ、大正末期に綿クレープが爆発的な人気を得た。
様々な商品開発がされ、一部の商品は海外の博覧会で入賞するものもあった。(従来の糸染めの縮から白縮みが主流になった。零細規模から工業生産へ)全国的に「高島縮(たかしまちぢみ)」が知られるようになったのはこの頃である。
高島クレープの特徴はシボの入り方がランダム・直線・波シボ etc ・・・・と多彩なこと。それは高島が織物だけではなく、撚糸の産地でもあるからこそなせる技術である。

・たがそで [誰が袖]

模様の名称。名の由来は「色よりも香こそあわれと思ほゆれ誰が袖ふれし宿の梅ぞも」(古今集)によるとされているが、江戸時代に模様や色彩の美しいきものを、衣桁に掛けた様子を屏風に描くことが流行した。この屏風を誰が袖屏風と呼び、模様そのものを誰が袖といった。衣桁に掛けた小袖だけでなく、袖だけを描いたものも誰が袖模様という。きものにも優美な模様としてよく用いられている。

・たがそでもん [誰が袖文]

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・たかなみおり [高浪織

龍村平蔵氏が新技法の探求に「気狂い龍」と呼ばれるほど没頭し、30代で高浪織、纐纈織など多くの織を生み出した。かの芥川龍之介氏も、龍村平蔵氏の帯について、大賞賛したと伝えられている。
龍村美術織物、龍村織物、龍村光峯の現在の3つの「たつむら」はすべて、染色工芸に対する功績により美術院恩賜賞を受けた、初代龍村平蔵の創業に始まる。村平蔵が考案し、実用新案を取得したものに纐纈織がある。これは、絞りに見えるように皺を織物で表現したもの。つまり絞りを染める過程で生じる皺に積極的な芸術性を認めてわざわざ織りという別の表現でつくったものである。これに対して模倣品を安く売る者が現われ、裁判で争うことになったのですが、そのとき模倣者は近世以前の古裂を証拠として提出し、平蔵が発明したとされるものは昔から西陣では周知のものであり、実用新案は無効であると訴えました。すなわち、絞りの名残の皺は芸術であるという感性は近世以前からあったということになります。纐纈織は、昭和になって渡文がを商品化して(ふくれ織とも呼ばれた)大ヒットし、現在も継続して販売しています。なお、龍村では、「纐纈織」、「高浪織」という名前で現在も販売しています。

・たかぬい [高縫]

日本刺繍法の一つ。模様を直接に縫わず木綿糸で下縫いするか、紙ひねりや綿を芯にしてその上を縫って模様高くを浮き出させる方法。「肉入縫(にくいりぬい)」ともいう。

・たかばた [高磯]

居坐機より織手のすわる位置の高い手織機。居坐機と異なり、経糸が機に固定されているため、体を前後に動かして糸の張りを調節する必要がなくなった。したがって、地合が均一したものが織られるようになり、能率も高くなった。

・たかやまけんぽうぞめこもん [高山憲法染小紋]

岐阜県高山市で産出される小紋染の一種で、「松煙墨」を用いた黒染である。江戸時代の明暦(1655~1658)の頃に、京都の剣法師範・吉岡憲房が染めた黒茶色の染のことを「憲房染」、または「吉岡染」といった。高山憲法染小紋がいつ誰によって高山に伝えられたのかは定かではない。

・たからづくしもん [宝尽くし文]

吉祥文様の一つ。中国で雑宝とよばれる珠、銭、磬(けい)、祥雲、方勝、犀角杯、書、画、紅葉、艾薬、蕉葉(しょうよう)、鼎(てい)、霊芝(れいし)、元宝、錠などを散らした文様。 文様名 →紋様のページへ

・たきじま [滝縞]

縞柄の名称で竪縞の一種。太い縞から順々に細くなるように縞が並んだ竪縞の模様で、これを片滝縞という。これに対して、太い縞を中心にして、左右それぞれ細い島が並んだものを両滝縞という。

・たきぞめ [炊き染・煮染]

つけ染・浸染〈シンセン〉とも呼ぶ。染料液を入れた容器に、布や糸を浸して染める方法。絞り染めや無地染に用いられる。

・だきはば [抱幅]

和服の部分名称の1つ。前身頃の胸位置での幅を指す。女物の場合、身八つ口から剣先の位置までを指す。抱幅=胸幅(左脇下から右脇下まで)× または、抱幅=胸囲× +3~4センチで、求める寸法が割り出される。

・たきもん [滝文) 

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・だきもん [抱紋]

左右の胸の位置に付ける紋。本裁のきものでは、男女とも反物の中央、肩山から4寸(約15cm)下った位置につける。一ツ身のきものでは肩山から2寸8分(約10cm)、四ツ身のきものでは、3寸5分(約13cm)下ったところ。羽織の紋下りも、きものの場合と同じだが、反物の中央ではなく衿にかくれないように、紋ひとつぶん脇のほうへずらす。

・たきやまつむぎ [滝山紬]

織物の名称
現在の八王子にあたる地域では、室町期から桑が植樹され,桑の取引,それに関連した絹織物の生産が古くから行われてきた.桃山時代には滝山城下で滝山紬などが生産,取引され,また八王子城下の八日市では一文字桑の取引が行われ,一文字桑は八日市の別称とも言われた.降って江戸期に周辺地域で生産される蚕によって絹織物の主要生産地となり,桐生,足利,秩父などと並び関東地方における織物の産地として脚光を浴びた。
※男物については、滝山紬、横山縞紬、上田縞、八王子平(袴地)などが、江戸時代から既に名産品として知られていました。

・たけかぶり [丈かぶり]

袷着物等の表か裏の一方が裾に垂れてかぶってみえる現象。袋が入るともいう。着用後の手入れの悪さや地直しが不十分な為におこる場合が多い。冬季に堀コタツに足をいれてもなりやすいので注意が必要。直し方は胴接ぎの出し入れで直るが、ひどい場合はトジ直しする必要がある。

・たけとみぐんぼう [竹富グンボウ]

織物の名称
グンボウとは混紡の意味。麻と絹、木綿と絹などいろいろな混紡があるが、一番価値があるのはもちろん写真にある芭蕉布と絹の混紡だ。拡大写真では、混紡の様子がよく分かる。

・たけとみみんさー 竹富みんさー

織物の名称
幅およそ八・五センチ、長さ約二三〇センチの細帯(ミンサー)で、真田紐に似た経畝織の木綿織物。藍染の紺地の両耳にはムカデ模様と呼ばれる段々縞が織りだされ、その中に五つ玉と四つ玉の絣が交互に織り込まれている。

・たけもん [竹文]

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・たしぬの [足し布]

布の足りない時に補足する共布、又は別布をさす和裁用語

・たじまちりめん [但馬縮緬]

「但馬縮緬」はその発祥の歴史は古く、絹織物に欠くことができない。湿度も高く日本海に注ぐ清流、円山川(朝来川)の上流地域で水も豊かに自然条件に恵まれて約200年ほど前から織り出されたといわれる。その後は次第に出石町を中心に農家の副業として広く行われ、全国にその名を知られるようになった。「但馬縮緬」は独特の撚糸機で強い撚糸を掛けた糸で生産され、優美で豪華な趣を持っている。また、シボがあるので肌触りもよく、しわが寄らず染め上がりが美しいのも特徴で、耐久力もあり、染直しにも向く。特に最近は緞子縮緬、紋意匠縮緬など高級品の生産が盛んに行われるようになった。

・たすきもん [襷文]

模様の名称。有職文様の一つ。たすきがけの斜めに打ち違った線を、模様化したものである。斜格子ともいう。三重線を交差させたものは三重だすきという。

・たたえおり [湛織]

阿波しじらの古名。徳島地方の方言で経糸を引き揃えることを「たたえ」という。

・たたきがすり [叩き絣]

染色の方法の一つ。原糸に木型を使って局部的に染色をたたきつけ、または摺りこんで染め出した絣糸。

・たちあわせ [断ち合わせ]

反物を裁断する場合に、柄や地紋を反物から着物へ美しく縫い上げるために、柄や地紋を合わせながら裁断していくこと。一番重要で難しい仕立ての工程のことである。また、反物の生地に何箇所か故障がある場合に、その部分が、着物の裏や見えにくい所になるようにしたりして、うまく都合をつけること。

・たちきりすんぽう [裁切寸法]

生地を裁つ場合に必要な寸法。仕上がり寸法+縫代分+縫込分+ゆるみ分=裁切寸法。

・たちばなもん [橘文]

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・だっくぼうせん [ダック紡染]

ダックとは、フッソ系の防染剤のことで、フッソ樹脂の発水性を利用して防染剤に用いることをいう。ダック利用により、伏糊せずに、直接引染ができるため、昭和50年頃から使用されている。着色防染として主に、スクリーン捺染や一部の型・手描友禅に使用されている。
ダックだけか染料を混ぜたものを筆描きし、蒸勢固着させる。伏せ糊を使用することなく直接引き染初めすることができるが、必ず生地の裏面から引き染めする必要がある。そのために染料がよく浸透する生地でなければならない。

・たっつけばかま [栽着袴

男物の袴の一種。膝から下の部分が細くなっており、その上下に付いた紐を結んで着用する。歩きやすく実用的な袴で、武士から庶民にまで広がり、江戸時代には旅装などに用いられた。伊賀袴ともいう。

・たつたがわもん [竜田川文]

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・たづなしぼり [手綱絞り]

絞り染の一種。斜めの太い縞柄を表したもの。絞り方は種々あるが、普通は布に一定の間隔をおいて、平縫い引き締めをして、一段おきに柳絞り(布地に柳のような柔らかい線の模様をそめだしたもの)をかけたものが、最も一般的である。寛永18年(1641)尾張の国主徳川光友が、入国の際、領内の有松から献上された、馬のくつわにつける手綱が、この絞柄だったので、こう呼ばれたといわれている。手綱染、だんだら染ともいう

・たていと、ぬきいと [経糸、緯糸]

織物を構成する糸の方向。経糸=縦糸、緯糸=横糸。
経糸とは織物の長さの方向の糸で、織機にあらかじめ張り渡たしておく。そこへ経糸と直角に緯糸を組合せ(緯打ちともいう)、これを繰り返して布を織っていくわけである。

・たてえり [立衿]

被布・コート・長襦袢等の前身頃に続く縦に長い布のことで、被布やコートは一幅使い、長襦袢は半幅使いが一般的。

・だてえり [伊達衿]

長着の衿に、下衿を重ねて、衿元だけ重着〈カサネギ〉しているように見せるもの。近年では、重厚さや華やかさを添える小物として用いられている。訪問着・色無地・小紋などの晴れ着に用いる。

・たてがすり [経絣]

模様を描いた経糸(たていと)を別の糸でくくって染め上げ、機にかける技法です。緯糸(よこいと)は無地です。

・たてばやしおりもの [館林織物]

館林では鎌倉時代に鶉織(うずらおり)という織物を産出したと伝えられている。下って宝暦の頃には結城縞を織るようになり、さらに享和年間には清呉織という袴地を製織し江戸でこれが好評を得て、以後館林は織物の産地として出発した。その後、戈格子という糸入格子縞を産し、また初めて安政の頃には経の散らし絣を織り、これは菅糸(精練しない生糸一本のままのもの)のまま括(くく)り、染色して経糸に使用するもので、邑楽郡中野村を中心に発達したので「中野絣」と呼ばれ、こうした関係で当時の館林町を中心とした結城木綿を「館林絣」というようになった。そして明治初年には中野絣が木綿の白絣に改められ非常な需要があり、大和地方の白絣とその地位を争ったほどのもの。館林は大島小絣、茶絣および太織などの絹織物も産出した。現在はこれらの伝統が基盤となって絹紡紬糸と化繊で作られた館林紬が創案され、大衆着として生産された。

・だてじめ [伊達締め]

きものを着るときに着くずれを防ぐために、長襦袢などの上に締めるもの。胴に巻いた後、端は結ばずにはさむことから、「伊達巻」とも呼ばれる。

・たてづま [竪褄・立て褄]

着物の部分の名称。長着の褄下のことをいう。衿先より褄先までの間のこと。

・だてまき [伊達巻]

伊達締めに同じ。

・だてもん [伊達紋]

紋所の一つで、しゃれ紋のこと。家紋や定紋と異なって、約束ごとのないのが特徴である。花、鳥、文字などを文様化して、定紋の位置につけて用いるが、多彩なことが特色である。

・だてもん [伊達文]

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・たてやまとうざん 館山唐棧

織物の名称・千葉県館山市
細手の木綿糸を天然の草木で染めた縞柄模様の織物です。砧打ちをするので絹織物のような風合いと光沢をもっているます。インドのセント・トーマスから輸入されたので初めはサントメ(棧留)といわれましたたが、いつしか唐棧留と呼ぶようになりました。
江戸中期には江戸を中心として、国産の木綿を用いた異国ふうの木綿織物が愛好されました。これらの織物は階級、男女の別なく愛好され、各地で生産されたましたが、なかでも川越唐棧は有名。
館山の唐棧は、唐棧織の技法を学んだ斎藤茂助が明治23年に館山市に移住し唐棧一筋に生きてから有名になりました。

・たてよこがすり [経緯絣]

経糸(たていと)、緯糸(よこいと)の両方を別の糸でくくって染め上げ、模様を合わせながら織り上げる絣(かすり)の技法です。

・たてろ [竪絽]

絽織の一種。横絽に対する名称であるが、横絽の組織を竪に使った織物。経糸数本を平織りし、次の二本の経糸をからみ合わせて経糸の方向に絽目を表したもの。

・たてわくもん [立涌文]

文様の一つ。相対する2本の曲線の中央がふくれ、両端がすぼまった形を縦に並べたもの。親王や関白の袍(ほう)・指貫(さしぬき)・袿(うちき)などの織り文に用いる。中に描く文様によって、雲立涌・笹立涌・松立涌などの種類がある。たてわき。たちわき。
文様名 →
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・たとうし [畳紙]

和服などを包むために和紙などで作られた包装紙のこと。畳んだ衣服を、たんすや衣裳箱に仕舞う場合、これに包んだ後に収納する。

・たぴ [足袋]

足を覆い包む和装小物。靴下のようなもの。

・たふおり [太布織

織物の名称・徳島県那賀郡木頭村
太布織は全国でも木頭村にだけに伝わる伝統の技です。
太布の原料となるのは、クワ科の楮(コウゾ)で、酷寒の季節に若い枝を切り取ることから作業は始まります。その後、蒸す・樹皮を剥ぐ・哂す・たたく・裂くなど、幾多の工程を経て糸をつむぎ、独特の地機で織り上げます。
古代布として全国で製造されていましたが、現在全国でその技法が伝承されているのは那賀町(木頭)のみです。太布織は独特の技法や素朴さ、その風合いなどで有名で、古くから衣類(明治末まで着用)や日用品(畳表のへり、布団,袋など)に使われるとともに重要な換金産物でした。しかし、綿製品などの台頭と同時に昭和に入ると生産されなくなりました。太布織はすべて手作業で大量生産できないため、生産量は限られています。
1970年(昭和45)に岡田ヲチヨ氏(1983他界)が県無形文化財技術保持者に指定され、その後旧木頭村内で「阿波太布製造技法保存伝承会」が発足し、その会も1984年(昭和59)に改めて指定を受けています。現在伝承会は毎週1日以上屋内外の作業を行なっていますが、原料の確保が難しいことと後継者不足が問題となっています。
その昔は、衣類や袋に利用されていましたが、最近では手提げ、ブローチ、テーブルクロスなどの製品をすべて手作業で仕上げています。

・たまいと [玉糸]

二匹以上の蚕が一緒になって一つの繭を作ったものを玉繭というが、この玉繭からとった節の多い糸のことをいう。紬などを織るのに用いられる。節糸ともいう。

・たまおり[多摩織]

織物の名称・東京都/八王子市、あきる野市 
現在の八王子にあたる地域では、平安時代末頃から絹が織られており、滝山紬や横山紬といった織物がありました。室町時代後期、多摩川のほとりにやってきた北条氏が、領民の産業として奨励したことで産地として形が整いました。明治以降は文明開化によって技術が急速に発展し、さらに独自に技術を開発したことで、今日の多摩織の基盤が築かれました。

・たまがわおり [玉川織]

東京都青梅付近で織られた織物。経(たていと)に錦糸、緯(よこいと)に玉糸または絹綿混紡糸を用いた紬(つむぎ)風のもの。明治末期に盛んに織られた。玉川紬。

・たまぎぬ [玉絹]

「玉糸」を使用して織り上げた裏絹。経緯に玉糸使用のものと、経糸に生糸を使用したものとがある。また、経糸に磨き玉糸(玉糸を磨いたもの、節が少なくなる)を用いたものを特に「散好絹」といい、これに反し、太くて節の多い玉糸を使用したものを「小節絹」(こぶしぎぬ、あるいは単に節絹)という。埼玉県秩父地方、群馬県甘楽川流域に産する。以前は福島県川俣地方にも産し、特に軽目のもので有名だったが、現在はあまり見ない。

たままゆ [玉繭]

同好繭ともいい、二匹以上の蚕が、一緒になって一つの繭を作ったもの。これから取った糸が「玉糸」である。

・たまむしおり [玉虫織]

綾織物の一種。経糸と緯糸に、それぞれ色の異なった糸を用い、光線のかげんで光って複雑な色に見える織物の総称。色の表れ方が玉虫の羽に似ているところから、この名がある。

・たまゆうき [多摩結城]

織物の名称・
八王子で生産される紋お召し。 高いしぼ立ちに独特の風合いのある渋さと豪華さをもった高級絹織物。
八王子の織物の歴史は古く、およそ三百五十年前の文献に八王子市の織物として滝山紬、横山紬、紬島の名が見られる。また、江戸時代後期には、関東屈指の織物産地として発展した。 当初、八王子の織物はすべて男物だったが、大正時代に男の外出着として洋服が普及し和服の需要が減ったため、女物着尺地の開発に努め、昭和元年には全国で初めてジャガードの紋職機による絹セルお召しがつくられた。多摩結城の開発に成功したのは昭和四年 で、これにより女物着尺地中心の織物産業地となり、現在に至っている。 昭和三十年代にウールと絹の交織ウールお召しがブームとなったが、近年は、正絹お召しとしての多摩結城が見直されている。

・たもと [袂]

和服の部分名称。和服の袖口の下方にある袋状の部分のことをいう。袖形(そでなり)ともいった。男女、年齢、きものの種類などによって、その形と大きさに違いがある。たとえば、袂の長いきものといえば、振袖のことをいう。

・たもともん [袂紋]

紋織物で二釜以上の文様が全部入らず、半端になった部分をいう。普通は全幅の中に三釜なり、四釜なりの柄がきっちり入るのが多いが、柄の都合で入らないとき、半端の部分を二分の一に分けて左右におく場合とがある

・だらり [垂らり]

女帯の結び方の一種。お太鼓結びの輪の端と掛けを折り込まずに、そのまま垂下げた形をいう。芸妓児の正式な結び方で、垂らり結びとも呼ばれている。また現在は、京都の舞妓の帯結びをいう。

・たれ [垂れ]

女帯の部分名称。お太鼓にするほうの丈の部分のことをいう。反対側の端を「て」という。また、お太鼓結びなどの下端から10センチぐらいの部分をいう。

・だん [緂]

白と色のだんだら染め。狩衣の袖括りの紐や、束帯帯剣時の平緒などに見られる。

・だんがわり [段替わり]

柄の付け方から名づけられた名称。
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・たんごちりめん [丹後縮緬]

京都府丹後地方で織られる縮緬の総称。丹後地方は、古くから織物の産地として有名であるが、縮緬は江戸時代の享保(1716~36)のはじめ頃、峰山町の絹屋佐平が、京都の西陣で学び、織りはじめたのが最初と伝えられている。丹後の縮緬は、他産地に比べて、シボ立ちが小さいのが特徴。友禅や小紋などの染下生地として適しているところから、白生地の小幅縮緬としては最も有名。主なものに一越縮緬、紋意匠縮緬、絽縮緬などがある。

・たんざくぬの [短冊布]

えもん抜きの別名。きものの衿を胸で合わせる部分や、衿の首の後ろで抜く部分をいう。

・たんざくもん [短冊文]

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・だんせんもん [団扇文]

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・たんぜん [丹前]

衣類の一種。普段着に綿を入れたもので、冬の間の防寒用として広く愛用されている。仕立ては夜具とほとんど同じで広袖である。表地には縮緬、紬、銘仙、縞木綿などが用いられ、柄は大きくて派手なものが好まれていたが、現在は格子や縞柄が多い。江戸時代の銭湯は、庶民の社交や娯楽場を兼ねていたが、神田の堀丹後の守の屋敷の前に会った先頭に美しい湯女がいて、この湯女を目当てに集まった男たちの装いから、丹前の名称が出たと伝えられている。

・だんつう [段通]

紋織物の一種で、古い歴史を持った緞子織物。地の組織は厚く、光沢があるのが特徴。一重緞子、二重緞子の二種類があり、二重緞子は二色以上の絵緯を使って文様を出す。

・たんばふ [丹波布(縞貫木綿・佐治木綿)

手紡ぎ、手機による木綿織物。手紡ぎの木綿糸が用いられるが、緯糸のところどころに屑繭から手紡ぎした「つまみ糸」が混ぜられる。植物染をするが、色は藍、茶、緑の三色のみ。この三色の濃淡で縞柄や格子柄を表す。ほかの木綿織物とは違う、ざっくりとした風合いと美しさがある。江戸時代末期から明治中期にかけて、縞貫木綿、あるいは佐治木綿と呼ばれてさかんに織られていたが、大正年間には途絶えた。昭和初期に民芸家の柳宗悦氏が京都の朝市で佐治木綿を発見し、丹波布と名づけた。昭和29年に柳宗悦、上村六郎氏を始めとする地元保存会の努力により復元され、現在もその技術は保存されている。

・だんぼかし [段ぼかし]

ぼかし染の項参照。

・たんぽぽもん [蒲公英文]

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・だんまる [ダンマル]

ダンマルとは、マレー語で樹脂・ヤニなどを意味するダマールが日本語化したもので、石油系洗剤で溶ける。ダンマル液は、ダンマルを揮発油で溶いたもので、染色に用いると、ローケツ染に似た効果が得られるので、一般的に、ローケツ染と同様に考えられている。(液描き)

・たんもの [反物]

和服地の総称。一反は、並幅36センチ、長さ11~16メートルの生地を指す。三丈物は、約12メートル、四丈物は約16メートル。