棕櫚は神の招代(おぎしろ)として古来尊重されたので、その葉も聖木のシンボルとして家紋に採用された。もともとは神文であるが、駿河浅間(せんげん)神社にいあやかって用いる者が多い。葉脈が入っているものとないのとがあるが、入ってないものは葉が11に分かれている。これは未勘源氏系の米津氏の使用紋で、「米津棕櫚」といって、とくにふつう13葉脈のものと区別している。
 「葉団扇」は棕櫚紋と似ているが、発生は別で、のち、天狗などがもっていることから混同してしまった。主な使用家は、清和源氏支流の富士氏、宇田源氏流の佐々氏、平氏繁盛流の白戸氏、藤原氏支流の米津氏など。

 

参考資料 講談社「家紋と家系辞典」他

         

棕櫚

米津棕櫚

抱き棕櫚

抱き棕櫚

変わり抱き棕櫚

         

入れ違い割り棕櫚

加納抱き棕櫚

対い棕櫚菱

三つ割り棕櫚

長溝棕櫚

         

       

棕櫚枝丸