磬とは、もともと玉や石でできた中国伝来の楽器をいう。長方形を折り曲げたような形で、つるして打ち鳴らす。のちに、青銅製がおおくなり、鳳凰や孔雀の模様などが彫られ、仏器としても使用された。古くは法隆寺の献物帳にもその名がみえ、平安期の『宇津保物語』にも「琵琶、琴、磬など打たせ・・」とある。当時はかなり広まっていたらしい。
磬紋は、その形が独特で異国風の情趣があり、家紋にもかなり用いられたと思われるが、記録では、藤原氏秀郷流れの渋谷氏しか見当たらない。

参考資料 講談社「家紋と家系辞典」他