波文(なみもん)



様々に変化する波の形を文様化したものを波文と総称します。荒れて大きく逆立つ波の文様には、立波文や波涛文、荒波文などと様々な名があるほか、低い波の女波に対して高い波を男波、あるいは片男波といい、また小波、大波、遠波など、限りない波の表情が数多くの豊かな言葉で表現されています。それぞれ単独で地紋としたり、千鳥や魚、兎(謡曲「竹生島」を暗喩します)と組み合わせたり、風景文様として使ったりします。表現方法によって重厚にも繊細な感じにもなるので、礼装の留袖からゆかたまで、着物や帯に幅広く用いられます。

波文 ※拡大画像

この記事はアシェット婦人画報社2003/10から引用しています。