土筆文(つくしもん)



春の野は一瞬目を放すと見落とすぐらいに、次々に芽を出し、開花する。自然に生える野の草花は、きものの文様としては一般的ではなく、文様として意匠化されることも多くはありません。そのほとんどが写生的な表現です。しかし、限られた一瞬の時季ならばこそ、短い間しか着られない文様をわざわざ身にまとうという感性は日本人独特のものでしょう。土筆もその中の一つです。

土筆文 ※拡大画像

この記事はアシェット婦人画報社2003/10から引用しています。