光琳梅(こうりんうめ)



尾形光琳が創始した描法で描いた、意匠性の高い文様を光琳文様といいます。そして個々のモチーフはそれぞれ光琳何々と呼ばれています。植物は丸みをもった線や画で描かれます。この梅も簡略(かんりゃく)ながらもふくよかで鷹揚(おうよう)とした画風(がふう)を見せています。これがきものの文様として好まれたのですが、光琳文様が流行するのはむしろ光琳の死後のことです。つまり、光琳文様は光琳自身が描いた文様ではなく、光琳の画風をまねたものです。光琳文様がブレイクするのは享保(きょうほ:1716~35)の頃ですが、その後もしばらくは流行が続きます。

光琳梅 ※拡大画像

この記事はアシェット婦人画報社2003/10から引用しています。