桐文(きりもん)



桐は中国では鳳凰のすむ木として尊ばれ、日本でも菊とともに皇室の紋とされてきました。桐の文様は通常三枚の葉に三房の花をつけて表現します。中の房に七花、左右に五花を付けたものを五七の桐といい、同じく中央に五つ、左右に三つ付けたものを五三の桐といいます。ほかに花を伸ばして変化をつけた華やかな踊り桐もあります。天皇専用とされた桐竹鳳凰紋の黄櫨染袍(こうろぜんぽう)や、名物裂の大内桐金襴に見られるように格調高い文様として使われました。現代でも家紋のほか、代表的な吉祥文様として祝儀のきものや袋帯に用いられています。

桐文 ※拡大画像

この記事はアシェット婦人画報社2003/10から引用しています。