菊文(きくもん)



中国では仙化といわれ、薬の力を持つ花とされ、日本には奈良時代から平安時代にかけて渡来しました。姿、色、香が優れているため多くの絵画や工芸品の題材にされてきました。陰暦九月九日の重陽の節句には菊の露と香を移した菊のきせ綿で体をぬぐって延命長寿を願う行事があります。秋の花ではありますが、文様は古典的な吉祥文様として広く好まれ、着物の柄にも季節を問わず多用されます。流水や籬(まがき)と組み合わせたり、万寿菊など、姿形も様々に文様化されています。皇室の御紋となっています。

菊文 ※拡大画像

この記事はアシェット婦人画報社2003/10から引用しています。