酢漿草文(かたばみもん)



カタバミは現代の都会の路地や庭の片隅にも見られる多年草です。葉や茎にシュウ酸を含んでいるためかむと酸っぱいのでこの字があてられました。古くから、この酸を利用して鏡を磨いたり、皮膚病の薬ともされました。カタバミの何よりの特徴は、ハート型をした小葉が三つ集まって一枚の羽を構成していることで、この型染はその葉を最も単純化して散らしたものです。紋章の片喰紋の多くもこの葉を意匠化したものです。きものの文様としては季節に関係なく用いられるものの一つです。

酢漿草文 ※拡大画像

この記事はアシェット婦人画報社2003/10から引用しています。