「鎌」と「丸輪」と「ぬ」の字を配したデザインで、これで「かまわぬ」と読ませるという洒落を含んだものです。もともとは、江戸時代初期の寛文(かんぶん)年間、西暦一六六一年~一六七三年前後に、「町奴(まちやっこ)」と呼ばれた侠客(きょうきゃく)の間で愛用された模様といわれています。その後廃れていたものを、七代目市川団十郎が文政年間、西暦一八一八年~一八三〇年ころに舞台で使用して、奇抜な絵と文字の雲合わせが大評判になりました。以後、市川家好みのデザインとして、現在に至るまで使用されています。