高木間道(たかぎかんとう)



高木間道には、同名で呼ばれる裂が二種あり、どちらも縞文様であるが、それぞれを視覚的な面から見れば、かなり異なっている。名物裂には由の間道の如く、同名称で二種以上の異なった裂がままあるが、この場合も、その一例といえよう。 地合が薄手に仕上がっており、紺と、うす茶色の縞文様である。縞巾に差異をつけ、これを交差させる仕組みで、一種の格子縞を作っている。間道裂のよさは、縞の構成と色彩にある。この裂に於いては、格子縞に紺と黄茶の濃淡の色調が美しい調和を作り上げている。中国明時代の製作と思われる。 いまひとつの高木間道は、地合も厚手であり、先のものとは、いささか趣を異にして、どちらかといえば、船越間道の作風と同じくするものだが、詳しくは次の機会を待つ。

高木間道 ※拡大画像