龍鳳鶴文錦(りゅうほうかくもんにしき)


龍鳳鶴文様の漰源は、非常に古く、隋錦に見られるように、錦として著しく高度な織物に発達した。それがわが国に渡来して、飛鳥、寧楽時代の龍鳳鶴文様となったものである。従ってわが国の龍鳳鶴文は、殆んど例外なく、天平時代に盛行したこの文様に、範をとっている。しかし、本家の支那では、その後各時代の変遷を経て、かなりの形式の変化を示している。 隋、唐の古格を有するこの文様は、むしろ、反って帯方を経て、朝鮮に移ったものに保有されているといわれる。様式としては、かなり近代化されており、また色彩も近世風の彩調を帯びていることも感化できないものである。

龍鳳鶴文錦 ※拡大画像