紅牙撥鏤尺文(こうげばつるいしゃくもん)



象牙を紅色に染めて、表裏と長短両側面に、撥鏤で文様を刻し、その細部に点彩を施したものさしである。表裏ともその半分を5区に分けて、唐花文と鴛鴦とを交互に配し、残り半分は区割りを施さないで、その表面は一茎の蓮花唐草文を主文として刻んである。 

撥鏤(はちる・ばつるい) 象牙を紅、緑、紺などの色に染めて、その表面にはねぼりをして文様を表わす手法で、掘り出した白い部分に、更に別な色彩を点じているものが多い。象牙のその色に従い「紅牙ばちる」「緑牙ばちる」「紺牙ばちる」という。

紅牙撥鏤尺文 ※拡大画像