姫松金襴(ひめまつきんらん) 【金襴】



蝶の飛び交う姿が織り出された金襴である。名物裂では白地(白茶地)のものは少なく文様の愛らしさと共に珍しい裂である。名称の由来は不詳であるが、蝶文は家紋の中でも数が多く、多くの人に好まれてきたことを物語る。これは蝶の姿の可憐さや優雅さだけではなく、それ以上に蝶の持つ呪術的神秘性が人々の心を魅了したからだと考えられている。蝶が変態を遂げる様は、人間の不死不滅の祈りを具現化しているものとして、特に戦場に臨む武士達に好まれたのではないかといわれている。

姫松金襴 ※拡大画像