道元緞子(どうげんどんす) 【緞子】



永平寺の開祖、道元禅師が宋より伝えた袈裟裂とも、西陣織屋道玄の所持とも伝えられる裂。五枚繻子の裏表の組織によって、地と文を織り出した最も基本的な緞子である。文様は小さな丁子花唐草を横並びに配し、しかも花は緯に筋状に並ぶというあまり例のない意匠構成となっている。そして一筋の花と花との間には小さな蝶を、他の一筋の花の間には蜂を付け加えている。中興名物「霜夜文琳茶入」の仕覆として用いられる。

道元緞子 ※拡大画像