宗薫緞子(そうくんどんす) 【緞子】



茶湯三宗匠の一人、今井宗久の嫡子、今井宗薫の愛用裂と伝えられる。五緞子の一つで、二重の七宝繋ぎ文に宝尽文と梅花文を入れた図柄である。今井宗薫は、名は兼久・久胤、通称は帯刀左衛門、別号に単丁斎。父宗久に茶湯を学び豊臣秀吉の茶頭・お伽衆となる。のちに徳川家康・秀忠・家光と三代の将軍に仕え、茶頭をつとめた。「宗薫肩衝」など多数の名物道具を所持。 明の中期ころの製作で、室町末期から桃山期に舶載された、いわゆる後渡りの緞子であろう。

宗薫緞子 ※拡大画像