縞牡丹金襴(しまぼたんきんらん) 【金襴】



明代全盛期における最も注目すべき作品の一つである。色調と上紋との間になんら統一感がなく、自由に紋を織り出した裂は数種類あるが、この縞ボタンは根本的に差異があって、縞の巾に応じて適当な文様を各島別に織り出したもので、相良間道にも見られるが、その差は金襴であるとないとの違いに過ぎない。 明代中期の変化に富んだ、しかも自由な意思によって中国伝統の文様、技法にインド、ペルシャ、西城地方、近東、ヨーロッパの文様や色調、技法を巧に織り入れ、実に渾然と融合して新境地を開拓した作品である。

縞牡丹金襴 ※拡大画像