振袖の肩付近の胴裏に地色らしい色が付着しています。汗をかくような場所ではないと思うのですが

 

着用時の汗で、着物の胴裏の脇や背の部分に地色が泣き出したというトラブルはありますが、汗が付着するとは考えられないところが色泣きしているのが問題です。


色泣きが発生している部分の表地に地色の上にベタ箔(箔を一面に貼り付けた金彩加工)の柄がありました。着用中に身体から出る湿気は、肌着から長襦袢、胴裏、表地を通って外気に拡散していきますが、そこにベタ箔があると湿気の流れが遮断され、部分的に加湿の状態が生まれます。つまり、通気性不良による色泣きです。特に最近の地色が濃い着物の場合は、染料が必要以上に付着していることがあり、そこに湿気が多くあたると、色の泣き出しとなってにじみが現れます。