4月(卯月)

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APRIL

≪卯月≫

穏やかな陽光を浴びて
草花が咲きほころぶ季節
春爛漫を全身で楽しむ

4月イラスト

4 月

 参考・引用 : 自由国民社「現代用語の基礎知識」より引用しています

  ◆ 清明(せいめい)  

 「清浄明潔」の略で、春の穏やかな陽光を受けて自然の息吹が清々しい様を意味する節気の一つ。新暦4月5日頃。春分後15日目にあたり、農耕の季節の幕開けの時期とされる。古来中国では清明節と呼ばれ、春を迎えて先祖の墓参をしたり、郊外に出かけて宴を催す風習があった。現在でも中国や沖縄地方ではこの時期に墓参をする習慣が残っている。

   
  ◆ 穀雨(こくう)  

 穀物を育てるあめを意味する節気。新暦4月20日頃。この時期は、前年の秋に蒔いた麦の成長を促す春の雨が降り、清明のころに蒔いた籾が稲に育っていく頃で、農耕にかかわる人々にとっ手恵みの雨となる。この時期に長引く雨を菜種梅雨(なたねづゆ)という。穀雨の終わりごろに八十八夜がある。

   
  ◆ 春の土用(はるのどよう)  

 立夏までの約18日間にあたる雑節の一つ。春の土用の入りは新暦4月17日頃。土用とは「土旺用事」の略で、陰陽五行説による季節の割り振りで四季に配当(冬:水、春:木、夏:火、秋:金)されなかった「土」の支配する時期として各季節の末18日ないし19日間を指すもの。季節の変わり目にあたる。現在は夏土用のみを土用と言うことが多い。

 

 ◆ 潅仏会/花祭り(かんぶつえ/はなまつり)  

 灌仏会(かんぶつえ)は、釈迦の誕生を祝う仏教行事である。日本では原則として毎年4月8日に行われる。

花祭り

釈迦(ゴータマ・シッダッタ)が旧暦の4月8日に生まれたという伝承に基づく。降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)、桜が満開の時期なので花祭(はなまつり)の別名もある。関西では5月8日に行うところもある。釈迦誕生の際には天から龍がやってきて甘露の雨を注いだ。それにならって日本では花で飾った花御堂をつくり、その中の水盤に誕生仏をおいて、参拝客や僧侶が柄杓で甘茶をかけて祝う。この甘茶を飲むと厄除けになるという言い伝えもあり、持ち帰って家族みんなで飲む習慣もある。

 

  ◆ 春眠(しゅんみん)  

 《孟浩然「春暁」から》 春眠不覺曉 處處聞啼鳥 夜来風雨聲 花落知多少
春の眠りは心地よく、うっかり寝過ごし、夜明けに気付かない。
目覚めてみると、ところどころで鳥がさえずっていて天気が良さそうだ。
そういえば、昨夜は風雨の吹き荒れる音がした。
せっかくの花がどれほど落ちたことか。 

春ならば、日中のうたた寝を戒められても、この一節を唱えてやり過ごせそうなきがする。

   
  ◆ 桜漬け(さくらづけ)  

  4月中旬、満開前の八重桜の花やつぼみを塩と梅酢で漬けたもの。茶碗に入れて熱湯を注ぐと、花びらが開

桜湯

いて香が立つ。春の季語。見合いや婚礼などの祝いの席では、「茶を濁す」ことを忌み嫌うことからお茶の代わりにこの桜湯をいただく。お茶漬けにのせる、炊き立てのご飯に混ぜる、焼酎のお湯割りに入れる、アンパンにのせる、和菓子やアイスクリームに入れるなど用途は広い。神奈川県秦野市では江戸時代末期から生産されており、現在も特産品の一つ。大根などを梅酢で着けたものを「桜漬け」という地方もあるため、それと区別して「桜花漬け」というばあいもある。

 

  ◆ 初鰹(はつがつお)  

 春から初夏にかけて、南方の海から日本近海の太平洋を黒潮に乗って北上する鰹を「初鰹」または「上り鰹」という。江戸時代には駿河湾、相模湾あたりの沖合いで獲れ、珍重された。あっさりとした上品な味が特徴。江戸時代、鰹の刺身は皮付きのものをからし醤油で食べるのが習慣だったが、今は「たたき」にして生姜で食べるのが一般的。春の魚の代表格。

   
  ◆ 春のお菓子(はるのおかし)  

 春のお彼岸にお供えされる「牡丹餅」、一方、秋のお彼岸の「おはぎ」。これは、春は牡丹(ぼたん)が咲くから「牡丹餅」、秋は萩の小花にちなんで「おはぎ」と呼ぶという説があります。季節の花にちなんだ和菓子は多く、中でも花盛りの春は、和菓子も華やかなものが勢揃いします。

桜餅
桜餅


 春といえば「桜」、その名を冠したものは、桜餅、桜衣、手折桜など数多くあり、日本人の桜好きがうかがえます。中でもよく食べられるのが桜餅。桜餅が最初につくられたのは江戸時代、向島の長命寺と言われています。1717年(享保2年)、長命寺で門番をしていた山本新六は、向島堤に数多く植えられていた桜の落ち葉に悩まされていました。そこで、これらを何かに使えないだろうかという思案の末に作り出されたのが、餡を小麦粉の皮で包み、桜の葉の塩漬けを巻いた桜餅。
 関東の桜餅は、小麦粉を使った桜色の薄焼きの生地で餡を包むのに対し、関西は粗めに引いた道明寺粉造ったものが主流。もっちりした中にある桜の葉の歯ざわり、葉の塩味と餡の奄美のバランスは絶妙。葉は大島桜の若い葉の塩漬けが使われます。塩漬けによって抗菌作用のあるマクリンという成分が生成され、これが独特の芳香を生みます。また、葉で包むことで持ちの乾燥を防いでいます。

   

  ◆ 春の山菜(はるのさんさい)

 

山菜は「その日に山に帰る」といわれるように鮮度が落ちやすいもの。処理は摘んだその日に行い、その日に食べるか、乾燥させたり塩漬けにして保存食にします。保存した山菜は季節のお祭り、慶事や法事などに用いられる。

 蕨(わらび)
万葉の時代から親しまれてきた山菜。根茎は江戸時代には糊として利用されてきた。採取時期は4月から6月で、葉の開かない若い茎を採取する。煮物。炒め物、お味噌汁の具、てんぷらなどに。

 ぜんまい
湿ったところに自生し、綿毛を被っているのが特徴。4月頃から、山地は7月ぐらいまで採取できる。塩漬けや乾燥させ、戻してから食べるのが一般的。油炒め、煮物、和え物など。

 たらの芽
棘の多い枝から出てくる若芽を摘む。採取時期は4月から5月。揚げ物や和え物、炒め物で味わう。火を通しても独特の芳香は失われない。

 ふき
水分の多い日陰で成長する。採取時期は3月から6月。塩を振ってまな板の上で板ずりして茹で、水にさらしてあくを抜き、皮をむいて調理する。煮物、炊き合わせなど。

 山うど
山里の道路の斜面から深山まで、特に日当たりのよいところの自生している。若葉はてんぷらに、地中茎は水にさらして和え物に、河はきんぴらに。栽培のうどは3月から4月が旬。自生の山うどは5月上旬から6月上旬が採取時期。

 

  ◆ (さくら)  

 春に白色や淡紅色から濃紅色の花を咲かせ、日本人に古くから親しまれている。また、果実を食用とするほか、花や葉の塩漬けも食品などに利用され、海外においては一般的に果樹としての役割のほうが重視された。環境がよければ寿命は非常に長く、老木として著名な日本五大桜の内神代桜は樹齢が1800年を超えているとされる。

一重桜

八重桜 


 分類としてはヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガンなど5~7種類ほどが認められており、これらの変性や交雑などから数十種類の自生種が存在する。八重咲きの品種はヤエザクラと呼ばれている。また、園芸品種が多く、花弁の数や色、花のつけかたなどを改良しようと古くから多くの園芸品種が作られた。とくに江戸末期に開発されたソメイヨシノ(染井吉野)は、明治以降、全国各地に広まり、サクラの中で最も一般的な品種となった。日本では固有種・交配種を含め600種以上の品種が確認されている。古くから日本人に親しまれており、古代では山に自生して咲くヤマザクラや、八重咲きの桜が一般的であった。西行で有名な吉野の桜も、ヤマザクラである。静岡県富士宮市に日本最古級のヤマザクラである狩宿の下馬ザクラがあり、特別天然記念物に指定されている。
 文化にも深くかかわっている。昔は緑が生え、稲作を始める時期に咲くため暦代わりに使われていた。平安時代以降は桜は花の代名詞のようになり、春の花の中でも特別な位置を占めるようになった。和歌や俳句などでも良く取り上げられる題材であり、室町時代に成立した能の西行桜では桜が人を引き付けることが書かれている。現在でも多くの創作で取り上げられている。花を見ながら行われる宴会は花見として知られる。

 

  ◆ 花冷え(はなびえ)  

 桜の花が咲く頃に訪れる一時的な寒さ、一種の「寒の戻り」のこと。春の季語。4月は不安定な天候が続き、「春に3日の晴れなし」ともいわれる時季でもある。東北地方の一部の地域では、花冷えのことを、桜の開花の便りが聞かれるにもかかわらず、炬燵やストーブをしまいきれずにいる状態から「花炬燵」ともいう。この花冷えで、時には晩霜(おそじも)が降り、農作物などにも多大な損害をもたらすことも少なくない。

 

【準備中】

【準備中】

  ◆ 季語(きご)  

4月の季語 : 春暖/陽春/春風/花曇り/花冷え・春暖の候 ・陽春のみぎり ・花冷えの頃 など

 
   

 ◆ 誕生石(たんじょうせき)

 

4月の誕生石 : ダイヤモンド

 
   
  ◆ 月の花(つきのはな)  

4月の花 : 桜

4月の花(桜)

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花言葉は

「優れた美人」「純潔」「精神美」「淡泊」
(シダレザクラ)「優美」
(ヤマザクラ)「あなたにほほえむ」