雲の歳時記

 朧(おぼろ)雲・うす雲/高層雲(こうそううん)巻層雲(けんそううん)

 月や太陽に傘を作る薄い雲で、太陽や月を中心にした輪のように光ることがあります。
この雲が出たら天候が悪くなる兆しと言われています。巻層雲は薄く層状に広がることが多いが、山岳波などの上空の気流の影響で波紋状やさざなみ状の模様(波状雲)を作ることもあります。夜なら朧月夜になります。

 入道雲・雷雲/雄大積雲/積乱雲(ゆうだいせきうん/せきらんうん) 

入道雲、雷雲等と呼ばれる対流雲。夏を感じさせる雲で、みつけるとウキウキします。
 入道雲は強い上昇気流が生じているところ、空気中の水蒸気が多いところに発生します。つまり、晴れていて強い日光で地面が暖められている夏の日中に下層の空気と上層の空気の温度差が大きくなってできる雲ということになります。 
  高さは高いもので10kmにもなります。また、水蒸気を多く含む雲ですから当然大雨を降らせる雲です。また、強い上昇気流のために強い電気が生じるために雷も発生させます。一般的に夏の雲と思われがちですが、冬にも発生することがあります。大陸の冷たい空気が日本海に流れ込み、その海上に発生します。この入道雲は日本海側に大雪をもたらします。 激しい雷雨をもたらす雲ですが、やはりこの雲を見ないと夏という気がしません。暑い夏ですが、楽しいレジャーがたくさんあります。心身ともにリフレッシュするために入道雲を眺めながら海水浴なんていうのはいかがでしょうか

 いわし雲・さば雲・うろこ雲/巻積雲(けんせきうん)
高度10キロメートルぐらいの上空にできる上層雲。小さな固まりがたくさん集まったように見える雲です。昔からいわしの大量を知らせる雲と言い伝えられているようです。また、魚のうろこのように見えるため、うろこ雲と呼ばれたり、鯖の背の模様に似ているのでさば雲と呼ばれたりもします。高積雲(ひつじ雲)に比べて、1つ1つの雲が小さく、高いところにあるように見えます。低気圧の前面にあらわれることが多いので、半日後くらいには雨になるといわれます。いわし雲は秋以外にも見られますが、秋によく見られる雲なので秋の季語としても使われ、たくさんの句や歌に詠まれています。

温暖前線や熱帯低気圧の接近時には、巻雲の次に現れるために順番にみられると天気の悪化が近づいていると考えられるでしょう。台風や移動性低気圧が多く近づくため特に多く見られ秋の象徴的な雲です

 ひつじ雲・まだら雲・、むら雲/高積雲(こうせきうん)
空の中層にできる雲(中層雲)。ひつじのような固まりの雲が並んでいるような雲。巻積雲に似ているが、高積雲は1つ1つの固まりが大きく巻積雲より低いところに見える。秋の晴天に見られるが、次第に厚くなってくるときは天気が崩れる。
 真珠母雲(しんじゅぼぐも)/極成層圏雲(きょくせいそうけんうん)極成層雲(きょくせいそううん)
高度20~30km付近の成層圏にできる特殊な雲。極や高緯度地方で冬によく見られる雲である。非常に高高度にある雲のため、日没後も太陽の光を受けて輝く姿を見ることがある。真珠母雲の名は、その色彩が真珠母貝であるアコヤガイの内側に似た虹色をしていることより付けられた。ちなみに、 夜光雲とは生成過程も生成場所も異なる。