無地の着物を染め替えたところ、ムラになってしまった

 

絹繊維は、染色しやすい繊維として知られていますが、逆にいえば、シミがつきやすい繊維ということになります。そのため撥水加工が普及しましたが、これがこの原因、撥水加工による染ムラです。問題は「撥水加工がしてある」という情報を業者に伝えずに染め替えに出したということです。
撥水加工の特性を理解していないといろいろな問題が生じます。もちろん撥水加工の撥水性はどんな条件下でも効果を発揮するわけではなく、たとえば、沸騰水や界面活性剤などが含まれている溶液中では、比較的簡単に水分を吸収します。このため、染め替えの脱色工程ではきれいに脱色でき、撥水加工剤も脱落したかのように勘違いしがちですが、熱が掛かると発水性が発現されます。つまり脱色工程では撥水加工剤は除去できません。
そのほか、撥水加工がしてあるのに縮んだというクレームを聞くことがありますが、撥水加工は、熱湯や蒸気などに対しては、水分に対するほどの効果はなく、加工しているから、まったく縮まないということなどありません。