衿についた汚れを取ろうとしたところ、白けてしまいました。色が落ちたのでしょうか

 

夏物の着尺や喪服で、帯があたる部分やシミ落としをした箇所が白くなり、色が落ちたのではないかという苦情を良く聞きます。このような場合の白けの原因は、シミ落とし時に発生したスレの部分の光の乱反射とスレの細繊維化された繊維の光の透過によるものと考えられます。
 湿らせた布で生地を押さえても色が移ることはありません。このような白けた部分の顕微鏡で観察しますと、スレが観察されます。
スレのトラブルは生地の表面が湿潤状態で摩擦されると発生するものです。また、摩擦現象は、両面から同じ場所が擦られることはあまりなく、このことから、スレは片面に発生するようです。このことからスレはあらゆる場面で起こりやすく、注意が必要です。
 スレの防止は、スレの発生しやすい湿潤状態、特に汗に対する対策を心がけましょう。不幸にしてスレが発生したものは、専門店に持ち込んでスレ直しを。