堅牢染めで染色したのに、日焼けしてしまいました

 

実際に変色しているとすれば、取り扱い条件が過酷であったか、堅牢度があまりよくなかったのかのどちらかです。染色堅牢度とは染色された色がどれだけの使用条件に耐えるかという尺度です。
まず、堅牢染をしたきものだからといって、光によって絶対変色しないということはないということを理解しておく必要があります。例えば、耐光堅牢度が4級の着物であっても、展示会などで長時間光の影響を受けたりすると変色します。
線食品の色に悪影響を与える原因は、数多くありますが、その代表的なものとして、


①日光→太陽光線の紫外線によって、染料が分解し、変色、退色を起こします。曇りの日や蛍光灯によっても変退色することがあります。
②洗濯→汚れを落とす洗濯によって、色まで洗い落として退色したり、染料が流れ出て白場を汚すことがあります。
③汗→着用時に人間のかく汗によって染料が泣き出したり、変退色することがあります。人間の汗の成分は、個人によっても、また、同一人物であっても発汗時の状態により違い、染料に対する影響もそれぞれ異なります。
④水→染色物が水にぬれて放置されたとき、変退色したり、白場を汚したりすることがあります。
⑤摩擦→白い布と染色物を摩擦したとき、染色物の染料(特に藍など)は白い布に移ることがあります。着物を着たとき、白足袋が汚れたり、下着に色が移ったりするのが、この例です。その他、酸やアルカリ、有機溶剤、塩素、酸化窒素ガスなど、要因は種種あります。例えば、日光に強くても選択には弱いなど、一つ一つによって異なります。


堅牢度評価も、洗濯堅牢度、変退色堅牢度、汚染堅牢度、耐光堅牢度などがあり、染色堅牢度試験といえばオールマイティーな評価であるかのような誤解を生んでいるようです。注意してください。