1回着用しただけなのに、着物の八掛に毛玉ができてしまいました

 

トラブルとまではいかないかもしれませんが、最近急増している事例として、八掛の裾付近に発生する毛玉(ピリング)があります。2,3回でピリングができたということは比較的多くあります。


ピリングが発生する前に、まず摩擦により、生地に毛羽が発生しますが、八掛全体に毛羽が見受けられるようなら、糸質あるいは加工工程に問題があったと考えられます。

繊維に関連する用語として、スレ、毛羽、ラウジネスという言葉があります。簡単に言えば、スレは絹繊維の表面をぬれた状態で摩擦することにより発生するもので、毛羽は、乾いた状態で摩擦することによって発生します。


ラウジネスは絹繊維の先天的な分離繊維(セリシン中に含有)によって発生すると考えられています。今回の場合はおそらく、ラウジネスと考えられます。