着物のシワが取れないという苦情を受けました。生地が悪いのでしょうか

 

着用ジワは一概に生地が悪いとは断定できません。きものの素材としての白生地が、一越や古代縮緬などは伸縮性に富み収縮しやすく、一方変り無地縮緬などは収縮しにくく、シワの回復力に乏しいという生地の特性が違うためです。


絹和服の防シワ性は、吸湿量の増加にしたがって悪くなる傾向があります。たとえば、梅雨時、夏季の多湿時、着用時に汗を吸湿したときなどにシワは一層つきやすく、取れにくい傾向があります。特に強いシワが発生しているきものの場合、汗によるシミ跡が紫外線下で認められる事が多いといえます。


最近では樹脂加工をしたシワの取れにくい生地も見かけます。樹脂加工はしみがつきにくい、収縮しにくいという付加価値が目的の撥水加工の一種です。