箪笥の中にしまっておいた銀糸使いの名古屋帯が黒く変色していた

 

帯が黒く変色したのは、緯糸として使用された銀糸が保管中に他の吟硫物質と反応し硫化変色 (箔ヤケ) したためと考えられ、保管の仕方に問題があったといえます。箪笥のなかという一般的な保管方法で変色の原因となる吟硫物質として考えられるものは、


① 石油ストーブから出る燃焼ガス 
② 輪ゴムやゴムベルト 
③ 粗製の紙類 
④ 硫黄系漂白剤の残留した生地(ウール) など
が考えられます。


対策としては、こまめに虫干しをし箪笥の中の空気を入れ替え、ゴム製品やウールの着尺やコート、ショール腰紐などのウール製品、粗製の紙類と一緒に収納しない事です。