原因は、保管中に使用した防虫剤と、金彩のバインダー(接着剤)が反応して軟化し、それが打ち合い状態(重ねて置かれた布などの柄が他面にもくっついてしまう事)でたとう紙に付着したもの、つまり防虫剤による金彩剥離と考えられます。


絹の着物は、精錬前の生糸と違い、精錬後の絹糸は、虫が食べる害が少ないものです。したがって仕立てあがった着物の場合には、ウールの商品ほど多くの防虫剤を使用する必要はないと思います。また、違う種類の防虫剤を一緒に使う事は絶対に避けるべきです。