箪笥にしまって着物を出して見ると、着物の八掛がたるんで裾から見えています。表地が縮んだのでしょうか

 

箪笥で保管中にこのような状況(収縮)が発生したとすれば、整理工程での表地のテンション(張力)の掛け過ぎ(引っ張りすぎ)が疑われます。
仕立てられた着物では仕立て後の保管中に発生する事が多く表地と裏地(八掛)の収縮差 から結果として裏地にたるみが生じます。


保管中、何らかの原因(水分・湿気など)が加えられたとき、テンションのかけすぎがあった場合にはその応力を緩和する方向に作用(緩和収縮)します。絹は織物表面に発生する小ジワを除去するために、ある程度生地にテンションをかけるのは避けられません。保管中に縮むということはやはりテンションのかけすぎを問われても仕方ありません。


その他、撥水加工をしているのに縮んだということを良く聞きますが、水をこぼしたなどの際には撥水効果はありますが、蒸気や熱湯などの水分は縮みを十分防ぐ事はできません。